介護施設におけるカスタマーハラスメントとは?

4.介護業界関連
どうも、ましです!
 
《プロフィール》
・元銀行員 法人営業一筋 8年勤務後、転職
・現在は医療法人グループ内の介護施設の事務員として勤務

 ブログでは主に地方銀行、転職活動、介護業界関連について自分の考えを発信していきます。
 
 
今回は、介護施設におけるカスタマーハラスメントについてまとめてみます。
 
 
 

介護施設で働くということは、日々様々な利用者・家族と接することになります。

多くの利用者や家族と接する中で、対応に困ってしまうお客様もいると思います。

 

 

対応に困ってしまうお客様として、

・執拗に過度な要求をしてくる
・介助の度に暴言を吐かれる、嫌がらせをされる
・異性の利用者からセクハラをされる
・家族から暴言を吐かれる

という方が、時には発生してきます。

 

職員の中には、

・私の対応が悪いから、うまくいかないんじゃないか
・上司から、「なんとかうまく対応して」と対応を任されて困っている
・相手から責められすぎて出勤したくない
・これ以上その利用者に対応したくない

と困っている方もたくさんいると思います。

 

上記のように、利用者や家族からのハラスメント行為に苦しんでいる施設職員向けに、カスタマーハラスメントについてまとめてみました。 

 

カスタマーハラスメントとは?

カスタマーハラスメントの定義として

「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの。」とされています。

 (引用:厚生労働省 カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル)  

 

簡単に言い換えると、

お客様からのご意見・要求の内容を総合的に考えて、社会の一般常識に照らし合わせるとおかしい、ズレている。さらに、その要求は、職員の働く環境・精神面に悪影響を及ぼすもの。

ということです。  

 

お客様からの意見や、改善のためのクレームを頂戴することはあって然るべきですが、社会の一般常識と照らすと、その要求は到底受け入れがたいもの。

という事案が、「カスタマーハラスメント」に該当してきます。    

 

介護現場におけるカスタマーハラスメントの内容

 介護現場におけるカスタマーハラスメントの内容としては以下が挙げられます。

1)身体的暴力
  身体的な力を使って危害を及ぼす行為。
  例:コップを投げつける/蹴られる/唾を吐く 

2)精神的暴力
  個人の尊厳や人格を言葉や態度によって傷つけたり、おとしめたりする行為。
  例:大声を発する/怒鳴る/特定の職員にいやがらせをする/「この程度できて当然」と理不尽なサービスを要求する

3)セクシュアルハラスメント(以下「セクハラ」という)
  意に添わない性的誘いかけ、好意的態度の要求等、性的ないやがらせ行為。
  例:必要もなく手や腕を触る/抱きしめる/入浴介助中、あからさまに性的な話をする

(引用:厚生労働省 介護現場におけるハラスメント対策)    

 

上記のケースは介護施設で働いていれば、何かしらの経験はあると思います。

 

しかし、認知症の利用者の場合は以下のように医療的な対応が必要となります。  

・認知症等の病気または障害の症状として現われた言動(BPSD※等)は、「ハラスメント」としてではなく、医療的なケアによってアプローチする必要があります。

・認知症がある場合、もしくは、認知症の診断を受けていないが認知機能が低下している場合などは、BPSDである可能性を前提にしたケアが必要です。

・例えば、認知症の「もの盗られ妄想」はハラスメントではなく、認知症の症状としてケアが必要です。

・認知症等の病気または障害に起因する暴言・暴力であっても、職員の安全に配慮する必要があることには変わりありませんから、ハラスメント対策とは別に、対応を検討する 必要があります。

・事前の情報収集等(医師の評価等)を行い、施設・事業所として、ケアマネジャーや医師、行政等と連携する等による適切な体制で組織的に対応することが必要です

・そのため、暴言・暴力を受けた場合には、職員が一人で問題を抱え込まず、上長や施設・事業所へ適切に報告・共有できるようにすることが大切です。

・報告・共有の場で対応について検討することはもとより、どのようにケアするかノウハウを施設・事業所内で共有できる機会にもなります。

・ハラスメントか、BPSD等認知症等の病気または障害による言動かの判断は、施設・事業所だけでなく、利用者の主治医(かかりつけ医)やケアマネジャー等の意見も確認しながら判断することが必要です。

※BPSD とは、
・認知症の行動症状(暴力、暴言、徘徊、拒絶、不潔行為等)
・心理症状(抑うつ、不安、幻覚、妄想、睡眠障害等)です。
(参照:厚生労働省「BPSD:認知症の行動・心理症状」(
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0521-3c_0006.pdf

(引用:厚生労働省 介護現場におけるハラスメント対策)  

認知症の症状として発生した場合には、カスタマーハラスメントとして対応するのでなく、認知症への対応として治療を開始するべきということです。

 

どちらで対応するかの判断は個人での判断は難しいところであり、関係各署で相談し、解決できるように対応した方が良いでしょう。      

 

まとめ

カスタマーハラスメントへの対応としては、個人で対応せずに、組織的に対応していくことが望ましいです。


令和3年度の介護報酬改定では、介護職員の職場環境の改善の一つとして、全ての介護事業者にハラスメント防止のための必要な措置の実施と、カスタマーハラスメント防止のための必要な措置の実施が推奨されています。

介護事業者として、カスタマーハラスメントに対応していくことは現在は当たり前に求められていることであり、「職員個人で対応するべきものではない」という認識をもって日々の仕事に取り組むことが必要です。

 

カスタマーハラスメントを起こす利用者・家族は、職員個人では対応の難しい相手であることが多いです。

 

知識不足により、悩みを一人で抱え込み、精神を病んでしまい、最悪の場合は離職につながってしまうこともあります。

 

そんな職員を一人でも減らしていけることを願っています。

 

もしも、対応を個人に任せるような事業者がいたら・・・・先は明るくないかもしれません。。。。

 

 

併せて、他の記事「介護施設の人手対策へのヒント 3選」も読んで頂けると嬉しいです。

 


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